• 2018.09.05

個人事業の承継について

福島会計の小島です。

以前より、会社の事業承継について大きな社会的問題としてこちらのブログで取り上げてきました。「事業承継税制」の改正をはじめ、国が法人の事業承継の円滑化に様々な手立てを打っていることも紹介してまいりました。しかしここで置き去りになっているのが個人事業主です。

現在は個人事業主がその事業に使用している土地の相続に対する減免制度(小規模宅地等の特例制度)はありますが、建物や設備、商品などの相続については相続税が課されてしまいます。

中小企業庁によると日本の企業のうち約半分は個人事業主による経営であり、1996年には約350万人いた個人事業主が2016年には200万人ほどに大きく減少しているとのことです。その要因としては、後継者不足だけでなく、事業を引き継ぐ意思があっても相続税の負担が重いため承継をあきらめてしまうケースもあるようです。

そこで、経済産業省と財務省は2019年の税制改正要望に個人事業主の事業承継の負担が軽減するよう相続税の減免を盛り込みます。経営者が個人で保有する工作機械といった設備のほか、建物にかかる相続税を軽くすることで、個人事業の廃業を抑制することが狙いです。

中小企業の廃業の増加により、2015年から2025年までの10年間で650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われると言われています。この試算は、経営者が70歳を超える法人の31%、個人事業者の65%が廃業すると仮定したものによります。当然ながら法人だけでなく、個人事業者に対する事業承継対策も必要となってまいります。

これからの日本経済の成長・発展を考えれば、事業承継問題に対して官民一体となった対策が必要でしょう。福島会計としても、この社会的問題に対し出来る限りの貢献をして参りたいと考えております。

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