• 2021.07.28

電子帳簿保存法に基づく資料保存と注意点についてまとめ!第一弾

 

こんにちは、スタッフの荘です。
弊社でも問い合わせの多い電子帳簿保存。
令和3年度の税制改正に関する情報を巷のニュースサイトやブログ等でご覧になり、情報が複雑なため混乱されている方もいらっしゃるかと思います。
弊社では、今後複数回に分け事業者の皆様がどのように対応すれば良いか、記事を公開していきたいと思います。

 

今回はまず電子帳簿保存法(以下電帳法)の概要、そして保存方法についての内容でポイントを絞り、ご説明いたします。
なお、こちらは令和3年7月28日公開現在の情報であり、また令和3年度改正(令和4年1月1日より適用)を前提としているため、ご了承下さい。

 

1. 電子帳簿保存法とは?

各税法では原則として帳簿書類については紙での保存が義務づけられていますが、この電帳法では、一定の要件を満たした上で、PC等で処理する電子データによる保存を可能とすることを定めています。さらには、電子的に授受した取引情報(以下、電子取引)については、電子データのままでの保存をする義務を定めています。
この電子保存というのは、種別等により要件の差異はあれど、保存に対して一定の要件を満たさなければできないものであり、その要件を満たせないのであれば、従来通り紙で保存するしかない、という点が原則になりますので、まずはそちらをご認識ください。まずは保存方法の区別を本記事にてある程度前提としておさえていただき、あとは個別にご相談されるのがよいかと思います。

 

2.保存方法の概要

(1)保存方法の区分

まず電帳法上での、保存方法の区分が3つあります。
①電子帳簿等保存:PC等で作成した帳簿・書類をデータのまま保存
②スキャナ保存:紙で受領・作成した書類をスキャンし画像データで保存
③電子取引:インターネット上にサイトを設け、当該サイトを通じて取引情報を授受する取引、電子メールにより取引情報を授受する取引等については、取引情報をデータで保存

帳簿や書類等の種類によってどの保存方法にできるかが異なり、さらに厳密には税法上は保存年数によっても可能な保存方法が異なります。(年数による区分は煩雑なため今回は割愛させていただきます)
こちらの保存方法の概要チャートをご覧ください。(国税庁 電子帳簿保存法一問一答より)

 

⑵種類ごとの保存方法

①帳簿

こちらの内容例は上のチャートにあります通り、仕訳帳・現金出納帳・売上帳等であり、会計の記録しているものをイメージしていただけるとよいかと思います。
ここについての注意点として、手書きで作成したものは、そのまま手書きでの保存しか認められておらず、スキャナを通したデータで保存することはできません。
皆様の中には、会計ソフトを利用してすべての帳簿を記録している事業者様も多いと思います。そうした場合には、先程述べた通り要件を満たした上であれば、電子保存が可能ということになります。

 

②書類

こちらは、貸借対照表・損益計算書のほか、注文書や領収書、契約書等が該当します。手書きであれば原則の紙保存もしくは特例のスキャナ保存を検討することとなり、一方でもともと電子データで作成しているものであれば、出力した紙保存もしくはデータのままの保存を検討することとなります。
ただしこの書類の中でも、そもそもスキャナ保存の対象外になるものがあります(主に棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの決算関係書類です)。
スキャナ保存に関してはかなり要件が複雑になっていますが、その要件の中で、事業者の皆様の今後の対応を考えるにあたり障壁となるのが、入力期間制限とタイムスタンプの付与と考えられます。
入力期間とタイムスタンプを付与すべき期間は、書類の受領等から2か月とおおむね7営業日以内、とされています。タイムスタンプについてはいくつか令和3年度税制改正で緩和された要素もあり、訂正削除履歴の残る(もしくは訂正削除できない)システムに保存すれば、タイムスタンプの付与要件に代えることができるようになっています。この点については、どのようなシステムで対応できるか検討が必要になります。

このスキャナ保存に関連し特に注意点といえる点について、「紙の領収書はもう不要である」、という表題の記事が散見されますが、これは紙の領収書そのものをもらわなくて良いという意味合いではなく、領収書のスキャナ保存が可能になったという点や、ECサイトの経費支払につき電子明細にて運用が可能という点においての記事と考えられます。
電子・紙いずれにしても、あくまで税法上の帳簿・請求書等の要件は満たす必要があることは変わらないという点にご注意ください。
例えば、クレジットカードの利用明細(カード会社から送付されるもの)は、もともと紙の状態であっても消費税の仕入税額控除を適用するにあたっては規定されている請求書等には該当しません。クレジットカードの利用明細を電子化しても同様ですので、その場合はいずれにしても他に領収書などの税法上の要件を満たした資料が、なんらかの形で保存されていることが必要になります。

③電子取引

ここが特に注意すべき点ですが、取引情報の授受が電子的に行われた場合には、紙での保存が不可となり、電子データにて保存しなければなりません。
紙であれば要件を満たさずとも保存できたものが、令和4年1月1日以降は、必ず要件を満たしながら電子データ保存をする必要があります。

電子取引は大きく分けると
①作成された一つのファイルをダウンロードする形式の取引(メールによるやり取り、ホームページからのダウンロード等が該当)
②クラウドサービスを利用した取引(クラウド上でデータが生成され保存されている、交通系ICカードによる支払データ、スマートフォンアプリによる決済データ等が該当)
におおむね分類されるかと思います。
①ですと、データを受領したあとの訂正削除が可能と考えられるため、上のスキャナ保存方式と同様に、タイムスタンプ付与をする、もしくはされた状態で受領する対応が必要になることに、注意が必要です。
②の場合には、取引情報(日付、取引先、金額等の情報)について、訂正削除の記録が残るシステム又は訂正削除ができないシステムを利用しているのであれば、そのシステムによる保存が認められるとしています。
具体的にどのようなシステムであればよいかについて、一問一答に記載があり、「他者であるクラウド事業者が提供するクラウドサービスにおいて取引情報をやりとり・保存し、利用者側では訂正削除できない、又は訂正削除の履歴(ヴァージョン管理)が全て残るクラウドシステム」が考えられるとあります。
こちらについても、利用しているシステムの状況を確認し、場合によっては事務処理方法の見直しをする必要があるようです。

 

いかがでしたでしょうか?
細かな要件等は割愛いたしましたが、こちらで電子帳簿保存法の概要をつかんでいただければ幸いです。
随所で個別の相談を、と記載いたしました通り、弊社でも多くのご相談をいただいており、また、事業者の皆様の電子帳簿保存法への適正な対応・業務フローの見直し等もご支援しております。
お気軽にお問い合わせください。

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