• 2021.03.24

所有者不明土地の解消に向けた法改正(相続登記等の義務化)

 

スタッフの西川です。

近年社会問題化している「空き家問題」や、主に相続登記がされないことによる「所有者不明土地問題」への対策として、相続登記の義務化など定めた改正法案が今月5日に閣議決定されました。

 

会社に関する登記については、会社法において「変更が生じたときから2週間以内」に変更する義務があり、これに違反(懈怠)すると、100万円以下の過料が科されることがあります。

 

一方で、不動産登記法上は相続登記や所有者の住所変更登記は義務ではないこともあり、手続きの面倒さや相続人間の協議の状況によって登記がなされず、所有者等による管理がされないまま放置されてしまうケースも発生してしまいます。

 

今回の法案では、主に以下のような改正が予定されています。

 

①不動産所有者の相続人(遺贈含む。)は、取得したことを知った日から3年以内に所有権移転登記を申請しなければならない

 ⇒違反した場合は、10万円以下の過料

②不動産所有者の氏名や住所に変更があったときは、変更があった日から2年以内に変更登記を申請しなければならない

 ⇒違反した場合は、5万円以下の過料

③不動産所有者が国内に住んでいない場合には、国内における連絡先となる者の登記が必要となる

④自己の所有不動産の一覧(所有不動産記録証明制度(仮称))の発行を受けることができるようになる

 ⇒相続における被相続人の一覧についても相続人による請求が可能

⑤相続した土地について、一定の要件のもと、10年分の管理費用を負担することで所有権の放棄(国庫への帰属)を申請できるようになる

 ⇒建物がない、土壌汚染がないことなどが要件

 

このほかにも、登記手続きの簡略化など、義務化と同時に利便性向上も図られているようです。

 

ちなみに、登記義務に違反した場合の過料は“登記義務者”に課されるのですが、会社において登記懈怠として過料が科されることとなった場合、その義務者は“代表取締役”となります(会社法976条)。

従って、会社の登記に関するものですが、当該過料は経費にすることもできませんので、なおさら注意が必要となります。

 

弊社では、相続に関するご相談も承っており、相続税申告に伴ってこのような不動産登記が煩雑となってしまっている現場を経験することもあります。

法改正により、その先には単なる事務的な側面だけでなく、国レベルでの様々な問題解決が図られることを願いつつ、当ブログをお読みいただく皆様への情報提供に努めていきたいと考えております。

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