• 2020.12.23

企業版ふるさと納税ー法人の寄附金についてー

 皆様こんにちは、山田です。

 今年も残すところあと僅かとなりました。

 新型コロナウイルスの終息の気配はなく、病院でクラスターが発生し自衛隊に出動要請がされるなど、医療従事者への負担はさらに大きくなっています。

 このような医療現場や社会に対して、何か役に立てないか思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 今回は、あまり知られていない企業版ふるさと納税と法人が寄附をした場合の一般的な取扱いを紹介します。

 

1.企業版ふるさと納税

 

 企業版ふるさと納税は、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税の税額控除が受けられる仕組みです。

 ①法人住民税

   寄附額の4割を税額控除(法人住民税法人税割額の20%が上限)

 ②法人税

   法人住民税で4割に達しない場合、その残額を税額控除

  ただし、寄附額の1割を限度(法人税額の5%が上限)

 ③法人事業税

   寄附額の2割を税額控除(法人事業税額の20%が上限)

図のように地方公共団体に寄付した場合に受けられる損金算入による軽減効果に加えて、税額控除が受けられることにより、通常の寄附より実質的な企業負担が少なくなります。

(例)100万円寄附すると、最大約90万円の法人関係税が軽減されます。

   ※税額控除の上限が設定されているため、実際に90%程度の軽減効果があるのは、寄附額が税引前利益の1%程度までの場合となります。

 

 寄附をする場合は、企業版ふるさと納税ポータルサイトでこの制度の対象となる事業を検索し、寄附したい計画の担当部署にお問い合わせください。

※企業版ふるさと納税ポータルサイト

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/tiikisaisei/kigyou_furusato.html

 

2.法人が寄附した場合の一般的な取扱い(企業版ふるさと納税以外の寄附)

 

(1)国・地方公共団体への寄附金と指定寄附金は、全額が損金算入できます。

    指定寄附金には、赤い羽根共同募金や日本赤十字社への一定の寄附金が該当します。

 

(2)(1)以外の寄附金は、一定の限度額までが損金算入できます。

  イ、一般の寄附金の損金算入限度額

 

   〔資本金等の額 ×12分の当期の月数×2.5/1000+所得の金額×2.5/100〕×1/4

 

  (例)資本金等の額1,000万円、所得の金額1,500万円、1年決算法人の場合の損金算入限度額

    〔1,000万円×12/12×2.5/1000+ 1,500万円 ×2.5/100〕×1/4=10万円

   注:所得の金額は、支出した寄附金の額を損金に算入しないものとして計算します。

 

  ロ、特別損金算入限度額

    特定公益増進法人・認定NPO法人等に対する寄附金には、特別損金算入限度額があります。

 

    〔資本金等の額 ×12/12×3.75/1000+ 所得の金額 ×6.25/100〕×1/2

 

    特別損金算入限度額を超えた部分の金額は、一般の寄附金の額に含めて、一般の寄附金の損金算入限度額が適用されます。

 

3.損金算入するための手続

 

 寄附金を損金に算入するには、確定申告書にその金額を記載し、寄附金の明細書など所定の書類を添付するとともに、所定の書類を保存している必要があります。

 

 いかがでしょうか?SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みなど企業経営における寄附への関心も高まっています。

 これを機会に寄附について考えていただき、社員とも話し合っていただけたら幸いです。

 今年も大変お世話になりました。来年も福島会計をよろしくお願いいたします。

 

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