• 2017.04.12

回収できない費用にこだわり続けますか?

 

スタッフの西川です。

 

突然ですが、『サンクコスト』という言葉をご存知でしょうか?

Thank cost?感謝費用??

 

『埋没費用(sunk cost)』と訳され、経済学の概念であるこの用語は、広辞苑によれば「ある生産活動に、いったん投入すると、その生産を中止した場合、転用不能のため回収できない費用(一部抜粋)」とあります。

 

具体例としては、以下のような事例がわかりやすいと思います。

①新店舗オープンに1,000万円も投資したから、今さら撤退できない。

②塩漬け株(取得価額15万円)の株価が少し回復したが、「ここまで待った」「あんなに調べた」のでまだ売りたくない。

③見始めて30分経過してつまらない映画(チケット代1,800円)だと思ったが、最後まで観た。

④食べ放題(2,500円)でつい食べ過ぎてしまう。

 

企業の事業戦略や、個人の株式投資の場面で用いられる概念であり、私生活の場面でも多々出くわしていることが頭に浮かぶのではないでしょうか。

事例においてのサンクコストは、①1,000万円、②15万円、③1,800円と30分、④2,500円、となりますが、“元を取ろう”という心理がその後の判断力を鈍らせ、その時点で投入した資金以上の金銭的・時間的な損失を発生させてしまうことは少なくありません。

 

我々会計事務所の仕事として、お客様の事業戦略についてご相談を受け、社長の決断を数字的に後押しすることは醍醐味でもあります。

しかし、もし収益性が低く、将来性のない事業について撤退を検討すべきフェーズにおいて、サンクコストのような判断を鈍らせるものがあったならば、それらもしっかり見つめ(むしろそこには目を瞑り)、撤退を後押しすることも時として使命だと思っております。

 

福島会計では、近年経営支援の一環として財務・経営コンサルティングに力を入れております。

税務顧問により得られるお客様の会計情報を経営サポートに活かすことで、社長の経営判断を後押しできることができればと思っておりますので、このブログを読んでいただいた方は、是非こちらを改めて見ていただけると幸いです。

 

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