• 2015.06.25

【中小企業の税制優遇の基準見直しへ】

kabu

株主総会シーズンもそろそろ終盤を迎えつつあります。今年は東芝の不適切会計や、ソニーの業績悪化など大手電機メーカーの業績不振が話題になりました。

特にシャープは資本金を大幅減資するという議案が話題にのぼりました。その内容は、資本金を1億円に減資するというもの。

シャープの本当の狙いについては様々な報道がありますが、資本金が1億円以下の企業は法人税法上で「中小企業」に分類され、法人税率が25%から15%に 軽減(所得800万円以下の部分)されるのをはじめ、交際費課税で優遇を受けたり、外形標準課税の対象から外れるなど、さまざまな税制上のメリットを受け ることができます。シャープほどの大手企業が、このような税制優遇措置を受けることができる「中小企業」となることについて大きな違和感があり、経産相か らもコメントがつきました。

結局、批判の声が大きく5億円への減資に落ち着き、その議案も今週6月23日の総会にて無事可決されたようです。

今回の件がきっかけになったわけではありませんが、この「資本金1億円」という中小企業の税制優遇の基準が見直されようとしています。大きな売上や利益を 上げる企業が資本金を1億円におさえて優遇措置を受けるケースがあることから、売上高や所得を新たな指標とする案が検討されるようです。早ければ2017 年度にも基準が変わるとのことです。

本来は体力のない中小企業を守るための制度のはずが、売上高が1,000億円の企業を「中小企業」として優遇するのは、やはり違和感が残ります。

中小企業を支える会計事務所としては、税金を払える力をもった企業が適切に税金を負担し、本当の中小企業やベンチャー企業の成長を支えるような施策に力を入れてほしいと切に願います。

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