• 2014.07.10

【中小企業の厚生年金加入を強化へ】

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中小零細企業にとって、負担が重いと言われる社会保険料。
厚生年金は会社員が加入する国の公的年金制度で、全ての企業は加入する義務があります。
しかしながら、現実には負担回避の理由などでいわゆる「加入逃れ」が多く存在しているのは事実で、厚生年金に加入していない中小零細企業は約80万社にのぼるとも言われています。
この中にはペーパーカンパニーや休業中の会社なども存在するため、これまで加入逃れの企業を特定するのは非効率な作業で難しいという現状がありました。

そのような状況の中で、日本年金機構がいよいよ本腰を入れて加入強化に乗り出すとの見出しが先週の日経新聞の一面で取り上げられていました。
国税庁との連携を強め、国税庁の保有する所得税などのデータを元に給与支払い事業者であるのに厚生年金を納めていない企業を特定、文書や電話などで強く加入を求めていく方針です。応じなければ訪問指導や立ち入り検査を実施、最終的には法的措置も辞さないとのことです。
こういった流れの背景には日本の年金財政問題が大きく横たわっており、年金制度に対する信頼を強めていく狙いがあるようです。

弊社でも、お客様には厚生年金加入は義務であり、社会保険料も人件費の一部と考えて頂けるよう、指導させて頂いております。
確かに中小企業にとって社会保険料の企業負担の重さは切実であるということを実感いたしますが、やはり義務を果たしてこそ、企業としての社会的責任を全うすることになります。
年金制度自体の是非に対する意見もありますが、人材不足が謳われ始めている昨今、こういった企業としての大前提を整備しておくことは、良い人材の確保にも繋がります。
時代の流れを前向きに捉え、こういった機会に企業の生産性向上を見据えた良い判断を行っていくことも会社経営の大事な要素なのかもしれませんね。

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