• 2014.09.17

【マンション管理組合への税務調査とは?】

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マンション管理組合にも法人税、消費税が課税されることをご存知でしょうか?
先日とある新聞記事で「マンション管理組合の税務申告漏れ」について注意喚起がされていました。
記事によると、マンションの屋上に携帯電話の基地局のアンテナを設置し、携帯電話会社から賃料を得ている管理組合に対し税務調査が入り、その賃料収入が“収益事業”であることから申告漏れを指摘されるケースが相次いでいるといいます。

そもそもマンション管理組合は、税法上「人格のない社団等」と定義されており“収益事業”を行なわない場合には非課税とされています。
では、何が“収益事業”になるかと言えば、法人税法上34種類の事業が定義されているのですが、会費や寄付金等以外の収入は概ね網羅されており、今回のケースでは「不動産貸付業」と認定され課税されています。
 ※なお、管理費収入は“共済的事業”として非課税扱いとなります。

今回のようなケースについては、管理組合側の認識不足によるところも大きいため、国税庁はホームページで質疑応答事例を掲載しているのですが、実は管理組合に関する税法上の取扱いとして以前にも類似の事例がありましたので、こちらも紹介したいと思います。

マンションの駐車場を区分所有者以外の者へ貸付けることはあり得ると思いますが、その場合はその貸付けは収益事業となり課税の対象となります。
問題となるのはその課税の対象範囲で、管理規約上駐車場の貸付けについて区分所有者を優先する旨の定めがない場合には駐車場貸付収入の全部について課税対象となるということです。
一般的には区分所有者が優先されることが多いと思いますが、規約に要件を求めていますのでうっかりすれば全額課税されてしまうことになります。

管理組合に限らず遊休資産を有効活用しようと考えるのは当然のことですが、それにより新たな問題が生じてしまうのは避けたいものですね。
マンションにお住まいの方は、いつかは管理組合の理事に選任される日が来るかもしれません。
「知らなかった」ではお金も労力も無駄にしてしまいますので、これを機に管理組合に関心を持ってみてもいいのではないでしょうか。

【ご参考】
屋上の携帯電話基地局に関する照会事例
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/21/11-2.htm

駐車場貸付けに関する照会事例
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/hojin/21/11.htm

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